auのネットワークを作る人と、法人のDXを設計する人、自社システムをコードで改善する人は、同じKDDIの技術職でも日々の仕事が違います。「通信インフラに関わる会社」という理解だけでは職種を選べません。KDDIは2026年4月に従来のパーソナル・ビジネスの組織をコア事業とグロース事業へ再編し、2027年3月期からはテレコムコア、パーソナルグロース、ビジネスグロースの三つを新しい事業セグメントとして扱っています。

先に決めるべきなのは、誰のどの課題に責任を持ちたいかです。通信設備の安定運用、法人顧客への提案と構築、自社の基幹・顧客接点システムの企画、アジャイルな実装では、必要な経験も日々の相手も変わります。

2026年3月期の旧2区分と、現在の3セグメントを分ける

2026年3月31日時点の有価証券報告書では、提出会社の従業員を旧パーソナル6,076人、旧ビジネス3,815人に区分しています。この人数は再編前の期末値であり、現在の組織規模には置き換えられません。2026年4月の組織再編では、パーソナルコア、パーソナルグロース、ビジネスコア、ビジネスグロースの事業本部が置かれました。事業報告上の新セグメントは次の三つで、組織名と一対一ではありません。

2027年3月期からの事業セグメント主な領域応募先を選ぶ問い
テレコムコアモバイル通信、インフラ、販売チャネル、商品開発通信品質と大規模基盤の安定成長を担いたいか
パーソナルグロース金融、エネルギー、デバイス、グローバル、Pontaパス・ローソン通信の顧客基盤へ生活サービスを広げたいか
ビジネスグロースAIインテグレーション、サイバーセキュリティ、Connected、データセンター、AI-BPO法人のAI・クラウド・セキュリティ需要へ技術をつなげたいか

新セグメントだけで配属職種は決まりません。ネットワーク技術は複数セグメントのサービス基盤に関わり得ますし、アプリ開発も顧客接点、社内基盤、法人案件で仕事が変わります。個別求人では、現在の事業本部、担当顧客、対象システム、内製範囲まで確認する必要があります。

通信キャリア業界のネットワーク運用を軸にしたいのか、SIer業界に近い法人向けの提案・構築をしたいのか、ソフトウェア・SaaS業界に近い自社サービス改善をしたいのかを分けると、KDDIの中で見る求人が変わります。

技術職は「作る」までの距離で比べる

KDDIの技術職には、ネットワークインフラエンジニア、ソリューションエンジニア、ITエンジニアのプロダクトマネジメントとアプリケーションエンジニアなどがあります。名称が似ていても、コードを書く比率と、社外の顧客・パートナーとの調整量は同じではありません。

職種仕事の中心面接で狭めること
ネットワークインフラエンジニア通信設備・基盤の構築や運用、安定提供夜間・障害対応、担当設備、設計と運用の比率
ソリューションエンジニア法人顧客へのネットワークやDXの提案・設計・構築顧客折衝、パートナー管理、自分で構築する範囲
ITエンジニア:プロダクトマネジメント基幹システムなどの企画・要件定義、パートナーとの開発推進技術判断、受入れ、移行・切替までの責任
ITエンジニア:アプリケーションアジャイル開発やコーディングによる自社システム開発内製率、使用技術、運用まで持つ範囲

プロダクトマネジメントの職種説明では、ウォーターフォール型でパートナーと基幹システムを構築し、企画や要件定義、移行・切替を担う例が示されています。一方、アプリケーション職はアジャイル開発やコーディングを使って自ら開発する仕事です。「ITエンジニア」という共通部分より、この違いを優先して応募先を選びます。

個別求人TT305は、モバイル基盤の仮想化を進めるPM

現在の個別求人には、求人ID「TT305_プロジェクトマネージャー<5G/4Gモバイル基盤の仮想化・コンテナ化推進>」があります。5G・4Gのモバイル基盤をKDDI共通の仮想化基盤へ載せ、OpenShiftの全体設計やルール作り、技術課題の解決、自動化、運用、知見共有を進めるポストです。

TT305の確認軸個別求人にある内容応募前に残る確認
工程・責任グローバルベンダーのモバイル基盤導入、OpenShiftの全体設計・ルール策定、課題解決、プロジェクト推進自分が決裁する範囲、ベンダーとの分担、夜間切替・障害対応
必須経験PMまたはPL経験、サーバー・ネットワークの基礎と実務、仮想化・コンテナの知識・経験、OpenShift・OpenStack・Kubernetesのいずれかの利用経験対象基盤で任される設計・意思決定の深さ
勤務地ガーデンエアタワー在宅勤務の頻度、将来の異動範囲
職種別年収個別求人ページには情報なし共通レンジをTT305のレンジとみなさず、個別の条件提示で確定する
職種別勤務制度個別求人ページには情報なし通常勤務、フレックス、裁量労働など、配属時に適用される制度

個別ページにない年収や勤務制度を、職種名から推定することはできません。OpenShiftなどの技術要件とPM・PL経験を満たすかを先に判断し、収入面は選考で条件が示されるまで「職種別には判断できない」と置きます。

平均年間給与10,510,939円はKDDI株式会社の在籍者平均

2026年3月期の平均年間給与は10,510,939円です。対象は提出会社であるKDDI株式会社の就業人員9,891人で、子会社などへ出向している3,641人は含みません。金額には賞与と基準外賃金が含まれます。

提出会社データ2026年3月31日時点転職判断での読み方
平均年間給与10,510,939円KDDI株式会社の在籍者平均。入社時の提示額ではない
従業員数9,891人子会社などへの出向者3,641人を除く就業人員
臨時従業員数4,169人年間平均人員で、従業員数とは別に記載
平均年齢42.3歳応募職種や中途採用者だけの値ではない
平均勤続年数16.4年入社後の在籍期間を約束する値ではない

対象期間は2025年4月1日から2026年3月31日です。通信設備の技術者、法人向けSE、アプリケーション開発者などを分けた平均ではありません。この金額を希望職種の相場や、提示される年収の中心値にはできません。

共通募集要項の理論年収576万〜929万円は、TT305の職種別レンジではない

KDDI株式会社のキャリア採用に共通して示された条件は、正社員の総合職、基本給月320,000〜562,000円、理論年収576万〜929万円です。経験・能力を考慮して決まり、時間外手当は別途支給、賞与は年2回とされています。ただし、TT305の個別ページには職種別レンジがないため、576万〜929万円をその求人固有の幅として表示することはできません。

キャリア採用の共通条件公開内容個別に確かめること
雇用主・雇用形態KDDI株式会社、正社員の総合職個別求人でも会社名と職種を一致させる
基本給月320,000〜562,000円経験・能力による個別決定
理論年収576万〜929万円個別提示の基本給、賞与、各手当の内訳
時間外手当別途支給配属部署の勤務制度と算定方法
賞与年2回提示額に置く賞与の想定

共通募集要項は時間外手当を別途支給するとしていますが、固定残業代の時間数・金額は記載していません。部署によって裁量労働制や裁量労働手当があり得ることとも分けます。自分のポストに適用される制度と金額は、個別求人に記載がなければ労働条件通知で確定させます。

平均年間給与10,510,939円と理論年収576万〜929万円は、対象も算定も別です。平均は在籍者の結果であり、理論年収はキャリア採用の公開条件です。平均が理論年収の上限を超えていても、公開条件が矛盾しているとは限りません。

通信基盤の近い求人でも、会社・工程・給与算定を分ける

同じ通信キャリアでネットワーク基盤の設計・導入を担う外部候補には、ソフトバンクの次世代ネットワーク開発エンジニア(IP・伝送)があります。TT305はモバイル基盤の仮想化・コンテナ化をPMとして進める仕事、ソフトバンク側はIP・伝送・アクセス網の設計、開発、試験、構築、品質管理、商用導入を進める仕事です。

比較軸KDDI TT305ソフトバンク 次世代ネットワーク開発
雇用主・責任KDDI株式会社/5G・4G基盤の仮想化・コンテナ化を推進するPMソフトバンク株式会社/IP・伝送・アクセス網の設計、開発、試験、構築、品質、商用導入、プロジェクト推進
主な応募条件PMまたはPL経験、サーバー・ネットワーク、仮想化・コンテナの経験などネットワークの開発・試験・設計・構築のいずれか2年以上、プロジェクト推進経験など
求人年収個別求人ページには情報なし理論年収679万1,000〜1,587万6,500円。一般職の試算だけ月30時間の時間外労働を置き、管理職は時間外手当の対象外
時間外条件個別求人ページには情報なし。KDDIの共通条件は時間外手当を別途支給固定残業ではない。時間外手当は一般職のみ勤務実績に応じて支給され、管理職は対象外
勤務地・働き方ガーデンエアタワー。職種別の在宅条件は情報なし竹芝本社。リモートワーク利用可

ソフトバンク側の理論年収は、月給、賞与、特別加算賞与などを置いた別会社の試算です。月30時間の時間外労働を置くのは一般職の試算だけで、管理職は時間外手当の対象外です。KDDIのTT305に職種別年収がない部分を補う数字ではありません。比較に使うのは、ネットワークのどの層を担当するか、PMとして基盤標準を決めたいか、設計・試験・商用導入まで自ら持ちたいかという仕事の違いです。

通信から隣接領域へ責任を広げたいなら候補に残せる

向いているのは、通信を単独の技術領域ではなく、顧客接点、クラウド、法人DX、基幹システムまでつながる基盤として扱いたい人です。ネットワーク経験を顧客提案へ広げる、要件定義経験を大規模な自社システムへ移す、運用経験をアプリ開発に生かすなど、隣接領域へ責任を広げたい人は職種を具体的に選べます。

また、社内外の関係者と調整しながら、止められないサービスの設計・運用を持ちたい人にも候補です。求人票では、障害時の担当、顧客折衝、パートナー利用、内製開発の四点を確認すると、自分が望む責任に近いか判断しやすくなります。

実装だけ・勤務地固定を求めるなら条件が足りない

コードを書く時間だけを増やしたい人は、「ITエンジニア」や「DX」という名称だけで応募しないほうがよいでしょう。プロダクトマネジメントやソリューションの仕事では、要件定義、顧客対応、パートナーとの開発推進が中心になる場合があります。実装を主軸にしたいなら、アプリケーション職で内製範囲を聞く必要があります。

勤務地や担当領域を将来も固定したい人にも注意が必要です。総合職では国内外の異動・転勤の可能性があり、配属部署は内定時に示されます。希望勤務地と職種が契約上どこまで確定するか分からない間は、入社判断を急げません。

内定時に、配属部署から勤務制度までつなげる

応募前は、事業領域、顧客、対象システム、担当工程、内製範囲、運用責任を一枚に整理します。面接では、個別ポストが四つの技術職のどこに近いか、異動後も専門性を使えるかを具体例で聞きます。

内定時には配属部署が示されます。その段階で、勤務地、異動範囲、通常勤務・フレックス・交代勤務・裁量労働のどれが適用されるか、基本給、賞与、時間外手当を同じ条件通知で確認します。会社全体の平均ではなく、自分が担う仕事と提示条件が一致しているかを最終判断にします。